だんだんと暖かくなり、まもなくフィラリア予防のシーズンになります。
かつて多くの犬の命を奪ったフィラリア症ですが、現在は様々な予防薬が開発され、フィラリア予防も一般的になりました。
しかし今でも多くの犬がフィラリアで命を落としています。
皆さんは愛犬のフィラリア予防を正しくできていますか?
フィラリアとは
フィラリア(犬糸状虫)とは細長い糸状の寄生虫のことで、蚊を媒介して感染します。
寄生したフィラリアは成長しながら血管を通って3~4ヶ月かけて最終寄生場所である心臓にたどり着き、やがてフィラリア症を発症します。
犬の病気のイメージがありますが猫やフェレットに寄生することもあります。
フィラリア症は命にかかわる恐ろしい病気です。
フィラリア症の症状
犬がフィラリア症になるとこんな症状が現れます。
- 咳が出る、呼吸困難になる
- ぐったりしている、元気がない
- 食欲がない、痩せてくる
- おなかが膨らんでくる
- 血尿が出る
フィラリアは潜伏期間が長いため、飼い主がこれらの症状に気づくようになる頃には手遅れになっているケースが少なくありません。
まれに容態が急変したり突然死することもあり、急性フィラリア症と呼ばれています。
フィラリア症の治療法
フィラリア症の治療法として、駆虫薬を飲ませる、手術でフィラリアを直接取り除くなどの方法がありますが、いずれも高いリスクが伴います。
成長したフィラリアを薬で駆虫しようとすると、その死骸が血管に詰まってしまったり、アレルギー反応を起こしたりして、命を落とす可能性もあります。
もしフィラリアをすべて取り除いたとしても心臓や血管などの後遺症と一生付き合っていくことになる場合も多いです。
フィラリアを予防するためには
フィラリア症にならないようにするためには月に一度の予防が欠かせません。
予防薬は主に3種類のタイプに分かれます。
・飲み薬タイプ
・おやつタイプ
・スポットタイプ(皮膚に塗ります)
また、予防薬を投与する前に血液検査が必要な場合もあります。
これは万が一ミクロフィラリアがいた時、投薬によりショック症状を起こす可能性があるからです。
必ず獣医さんの指示に従って、正しい予防を選択してあげてください。
投薬の時期
香川県では蚊が発生する5月末~11月末まで、毎月1回予防薬を飲むことが推奨されています。
予防薬は動物病院で簡単に手に入ります。
ですので3月から5月ごろに動物病院へ行くのが望ましいです。
寒くなって蚊が出なくなったからといって自己判断で投与をやめるのは危険ので、必ず地域の獣医さんに指示された期間を守るようにしましょう。
都会と田舎で大きく変わる感染リスク
筆者が都心の動物病院に勤務していた時、フィラリアを実際に見る機会はほとんどありませんでした。
都会では室内飼いの犬が多く蚊に刺される機会も少ないため、フィラリアにかかるリスクが地方と比べると低いのです。
そして関東から香川県に移住してきたとき、ご近所を散歩していると外飼いの犬が多い事に気が付きました。
広いお庭でのびのびと走り回る犬を見るとのどかでほほえましく思う反面、フィラリア予防は大丈夫かなと気になってしまう時があります。
実際に外飼いの犬の死因のトップに犬のフィラリア症がランクインしており、外飼いの犬が多い香川県ではフィラリアのリスクが高まることは容易に想像できます。
飼育環境が室内でも屋外でも、愛犬の健康のためにしっかり予防を行いましょう。
おわりに
フィラリア症は正しく予防していればほぼ100パーセント防げる病気です。
ぜひ正しい予防の知識を身につけて、愛犬の命を守ってくださいね。